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中小企業家同友会全国協議会第49回定時総会(2017年7月6日愛知・名古屋国際会議場)
『千葉県中小企業の振興に関する条例』
 制定から10年

〜条例制定の取り組みが同友会、企業、行政を変えた〜

第12分科会・中小企業振興基本条例(千葉同友会設営)
パネリスト:
トーク税理士法人 代表社員
 杉山 武氏
千葉同友会相談役、千葉県中小企業振興に向けた研究会[県商工労働部経済政策課所管・2006年度-2016年度副会長]、同友会歴42年・政策委員長・千葉同友会ビジョン委員長・代表理事等を歴任、事業内容:税務会計・経営コンサルタント・事業計画・資金繰計画・経理システム構築
  パネリスト:
千葉県商工労働部 次長
 篠崎千尋氏
1981年千葉県入庁、2005年商工労働部経済政策課政策室[中小企業振興条例、元気戦略の作成を担当]、2010年商工労働部経済政策課政策室長、以降、商工労働部雇用労働課長、県土整備部住宅課長、商工労働部経済政策課長を経て、2016年から現職
パネリスト:
(株)CMS 代表取締役
 細矢 孝氏
千葉同友会副代表理事、政策委員長[8年目]、同友会歴22年、事業内容:土木及び建築の調査・設計・監理並びに建設事業のコンサルタント
  コーディネーター:
千葉県中小企業家同友会 専務理事

  川西 洋史氏

1.なぜ、中小企業振興条例に取り組むようになったのか
千葉同友会として取り組んだ経緯
川西 初めに、なぜ中小企業振興条例制定に取り組むようになったのか、同友会、県行政それぞれの立場からお話いただきます。まず同友会側から。
杉山 千葉同友会は1999年から千葉県に政策要望を提出していますが、東京の墨田区が1979年に中小企業振興条例を制定し、区行政が先頭に立って中小企業振興に取り組んでいることを伺い、同区の中小企業振興施策を学ぶ見学会を実施しました。そこで、係長級以上の行政職員が区内の企業一軒一軒を訪問調査し、それをもとに振興条例ができあがったという話を伺い、大変な驚きと感動を持ち、2001年度の要望書に初めて千葉でも中小企業振興条例を制定してほしいと盛り込みました。
 また、当時千葉同友会として、企業づくりに加えて地域づくりがテーマに挙がっていました。2001年から2005年の第5次中期ビジョンのスローガンに「人間が人間らしく生きられる地域と企業を目指して」を掲げ、中小企業と行政とがベクトルを合わせて取り組んでいけば、地域活性化を進めていけること、そのためにも中小企業振興条例が必要だと考えていたのです。
細矢 私が振興条例に関心を持ち始めたきっかけは、2005年に行政の方たちが「地域勉強会」という各地域の経済団体を回り意見交換会を行っていたことです。本音で言うと、“どうせ上に言われて渋々やっているんだろう”という感覚で支部役員として地域勉強会に参加した時、行政の方が非常に真面目に取り組んでいる姿に驚きました。とりわけ私の中で条例の重要度が増したのは、条例ができた後、2009年から政策委員長を受け中同協政策委員会に参加した際に、グループ討論で「千葉の条例って凄いですよね」と言われたことです。条例の説明がうまくできず、「政策委員長に成りたてなもんで」と言い訳したもののこれではマズイと思い、ようやく条例の学習を始めたというのが本当の所です。

振興条例をつくるに至った時代背景
川西 続いて、商工労働部の篠崎さんより、県行政として振興条例つくるに至った時代背景などについてお話し願います。
篠崎 条例に取り組むことになったのは、2004年12月の県議会で堂本前知事が「条例を検討します」と答弁したことが始まりです。行政として条例を検討する際、考えないといけないことが2点あります。1つは、県政の課題の中にあって、なぜ条例という手法をとる必要があるのかということ、2つ目は、なぜ今なのかということです。
 条例という手法を採用したのは、中小企業が地域で果たす重要な役割、中小企業の振興に取り組む県の姿勢を、中小企業だけではなく、市町村、大企業、そして全ての県民に理解していただくために、要綱などではなく、議会を通す条例が必要だと考えたことです。また、今回の条例は、共通の理念を定め総合的に取り組もうという考えが根本にあるので、全てを含む上位規定である条例しかないだろうということになりました。
 なぜこの時期に条例を作ることになったのかという点では、制定前の2004年から2006年頃の社会情勢を見ると、小泉内閣の時代で景気は回復基調にあり、戦後最大の「いざなぎ景気」を超える「いざなみ景気」と言われていた時期です。規制緩和が進み設備投資や新分野に進出する積極的な企業が見られた反面、国内外の競争激化で、地域の中小企業にとってはなかなか景気の回復が実感できない「実感なき好景気」と呼ばれる状況もありました。千葉県では、東京に近い地域は人口が増えているものの人口が減少している地域も多く、そういった地域を基盤としている小売業やサービス業が人口減少で市場が縮小し、売上の減少が課題になってきているという状況がありました。このように地域経済の基盤である中小企業が活性化することが喫緊の課題であったということが条例に取り組んだ背景にありました。
 もちろん同友会さんからの要望もきっかけとして大きかったとは思います。

現場の声を聞くことを大切にして
川西 千葉の振興条例では“現場の声を聞く”ということが特徴の1つですが、行政としては率直なところ余計な仕事が増え負担が大きいとも言えますが、どのような経緯でそうなったのでしょうか。
篠崎 堂本前知事が2004年12月に県議会で条例をつくると発言し、私は翌2005年4月から条例を担当しました。最初に言われたのは「2005年度中の策定」ということでした。結果的には、2007年3月に条例ができたので1年間遅れたわけです。なぜ遅れたかというと、「地域勉強会をたくさんやろう」、「皆さんから意見を聞く機会をとにかく作ろう」ということを作成プロセスに大幅追加したことが要因です。なぜ地域勉強会をやったかというと、そもそも中小企業の振興策を進めるにあたり、千葉の中小企業の皆さんが具体的にどういう課題を抱えているのか、それに対して企業の皆さんがどう取り組んでいるのか、行政は何ができるのかといったことは、直接お話を聞いてみないと分からないだろうと考えたからです。条例をつくるだけなら1年でできたと思いますが、皆さんから方向性が違うだろうと言われるような条例を作ったのでは意味がありません。
 地域勉強会は、率直な意見をもらう機会として、条例の素案を作るまでに40 回以上開催し900人以上の方に参加いただき、400以上もの意見をいただきました。これが中小企業元気戦略の裏づけになり、条例の理念のもとにもなっています。同友会の皆さんとは、2005年11月以降、支部単位で9回地域勉強会を行いました。
 地域勉強会にはみんなで分担して出ており、またこちらからお願いしていることでもあり、夜に行われることなどは負担ではないのですが、同友会の皆さんとやる時には、グループ討論の際に、県職員が一人ずつ分かれて加わりますので、担当している分野以外の話についていけないという心配もあって、職員にとってはグループ討論になると緊張感が増すということはあったようです。

振興条例と元気戦略の関係
川西 「振興条例と元気戦略の関係がよく分からない」という声もありますので説明をお願いします。
篠崎 振興条例と元気戦略の関係については、お手元の「条例と第3次中小企業元気戦略」のリーフレットをご覧ください【資料参照】。条例の基本構造を見ると、第1条が目的、第3条が中小企業振興を図るための基本理念、第4〜10条が関係者ごとの責務、第12条〜16条が基本的方向の枠組みを決めております。その枠組みに基づいて第11条に基本方針「ちば中小企業元気戦略」を策定して、中小企業振興に向けてより具体的な取り組みを定めるという構図になっています。
 条例というのは議会にはかる必要がありますし、経済情勢が変わったからまた変えますというのは難しいですから、具体的な中身については元気戦略を2007年に第1次を策定して現在第3次に取り組み中で、かつ第4次を検討しているところです。概ね3年ごとに見直しています。

2.振興条例制定で何が変わったのか
県行政と千葉同友会はどのように信頼関係をつくってきたのか
川西 本日のメインテーマである「振興条例が制定されて何が変わったのか」に話を進めます。都道府県段階の振興条例は現在43を数え、市町村段階でも着実に条例を制定するところが増えています。市町村ですと、行政職員・議員が会員の親戚や知り合い、あるいは首長が元同友会会員というケースもあり、コミュニケーションがとりやすいのですが、都道府県ですとなかなか距離があり、条例があっても行政との関係が必ずしもしっくりいかないという話をお聞きします。そこで、初めに総論的にこの10年余りで県行政と千葉同友会がどのように信頼関係を作ってきたのか、杉山さんお願いします。
杉山 県行政と千葉同友会の信頼関係の醸成がどのようにできてきたかを振り返ると、第1に、接触度が増え同じ目線で話ができるようになり、地域の実態を知ってもらえるようになったこと、第2に、行政と同友会の想いが一緒だったということがあると思います。千葉同友会の中期ビジョンで自主・民主・連帯の精神で地域の中小企業が元気になれば、地域経済が活性化し豊かになるという方向性を掲げていました。県もそういった方向で取り組んでいただいた中でお互いが理解し合えたのではないかと思います。
川西 細矢さん、地域勉強会などを通じて県行政と同友会との関係の変化について感じていることはありますか。
細矢 地域勉強会で年数回の懇談を行ってきました。政策要望の中身について深掘りしていくわけですが、時代ごとに合ったテーマで行い、現在は人材の確保・育成が焦点になっています。その中で変化したと思うのは、私たちからの切実な要望が数多く出るわけですが、県行政からすると、言われても困ってしまうことがあるわけです。そうしたことを我々も理解できるようになりました。我々企業ができること、行政が得意なこと、議会にお願いすること、金融機関に期待すること、それぞれが地域のために何をやるべきかを考えるようになっていったことが大きいと思います。お互いが考える場、理解しあえる場を作り出すことが非常に大切だと感じています。

同友会の活動実態を知り、要望の裏付けを理解
川西 篠崎さん、同友会と聞いて、初めは訳の分からない団体、あやしい団体?なんて思いませんでしたか(笑)。県行政の立場から同友会に触れる中でどう感じられたのか聞かせてください。
篠崎 千葉同友会は1975年に設立されていますが、私が若い時、商工労働部の金融課などにもおりましたが、その頃はこちらの不勉強もあるのでしょうがまったく存じ上げませんでした。しっかりした経済団体だなと認識したのは、2005年に経済政策課に移って、初めて同友会の支部例会に参加させていただいた時のことです。経営者が会社の理念などを語っているのに対して、コンサルタントでもない参加された同じ会員経営者の方からものすごく厳しい意見が出されるんですね。非常に驚いたことを覚えています。そうした活動の実態がしっかり背景にあって要望も出されているんだなとよくわかりました。その後の地域勉強会で出された計400件ほどの意見や課題のうち、かなりの件数が同友会との地域勉強会で出されたものでした。
 信頼関係の問題では、中小企業の皆さんとお話すると「県でこんな制度を作ってくれ」と言われることがあります。その際、「ご意見を拝聴しました」と答えるわけですが、実施するのは、難しかったり、時間がかかったりすると、意見された方は「県は何もやらないじゃないか」と思います。できないことへの批判ばかりされると、職員は批判されたくないですから、あまり怒られないで済みそうなできない理由を考えることに時間を費やすようになり、何ができるかという良い方向に頭を働かせなくなります。時間がかかる、難しいと思われる要望については、代替案やどうしたら実現できるのかを一緒に考えられるような関係を作っていくことが大事だなと思います。

中小企業家の意識変化、中小企業・同友会への社会的評価の高まりは?
川西 もう少し具体的な点を伺います。そもそもこの10年の間に、中小企業家の意識は変わってきたのでしょうか。
杉山 2005年に中小企業新事業活動促進法が施行されて、全国的に“経営革新計画の承認”に向けた取り組みが行われ、全国の承認企業の約1割が同友会企業ではないかという話を伺っていますが、千葉同友会でもかなり取り組みました。県行政の皆さんには積極的に相談に応じていただき、丁寧なアドバイスをいただいたことで相談に行った企業が数多く承認を受けることができ、行政との垣根が低くなり、中小企業の意識改革にもつながったと思います。
 また千葉の振興条例・元気戦略に基づき、2006年より同友会も含めた経済4団体の推薦により「千葉のちから中小企業表彰」や「千葉のちから従業員表彰」が企画され、おかげ様で私の会社も「千葉のちから中小企業表彰」の第1回表彰を受けることができ、“うちの会社も捨てたものではない”と社員の意欲が生まれています。
 千葉同友会自体もこの条例制定の過程を通じて行政から経済7団体と位置付けられ、他団体との関係も変わってきて提携もしやすくなってきました。地域づくりは同友会だけでできることではありません。他団体とも協力して取り組んでいける素地ができてきたと思います。このように中小企業、同友会の社会的評価が高まってきたように感じています。
川西 細矢さんはこの間大学などで講義されたり、学生と交流されたりされていますが、中小企業への評価について聞かせて下さい。
細矢 千葉同友会として地元大学と提携して講座を任せていただいたり、支部が地元大学の学生と懇談する機会があり、中小企業の魅力を話に行くわけですが、まだまだ学生には大企業志向、安定を求めた公務員を目指す方が圧倒的に多いです。
 講義の冒頭で「親御さんなどから、『大企業に入るか公務員になれ』と言われたことがない人は?」と質問すると誰もいません。そこで私は「千葉県の99.8%が中小企業、就労率は75%です。皆さんの中で4人に3人は中小企業に勤めます。中小企業に入ってしまったと沈むのか、自分のやりがいを見出して人生に生かしていくのかはあなたたち次第です。皆さんは企業を名前で選ぶ『就社』になっていませんか、どんな仕事をするのかという『就職』が大事ではないですか」と話しました。
 千葉同友会では、教育現場に中小企業の魅力を伝えてほしい、また教育庁・教育委員会との懇談の機会をつくってほしいという要望を行ってきまして、ささやかな成果の一つですが、商工労働部経済政策課の方が中小企業を取材し「地域で頑張る企業紹介」という形で教員向けの資料の中に連続して紹介いただいております。この中には同友会会員企業も多数登場しており、この辺は前向きな変化と言えると思います。

何も変わらずにやってきたことに意味がある
川西 篠崎さん、県行政の方の変化はありますか。
篠崎 条例を作ることが目的となってしまうと、担当者は異動しますので「そんな条例あったね」となってしまいます。理念条例の場合は、それによって何かを規制するというものではないので、そのようなことに陥る危険性が高い。そうならないための仕組みが、条例の中に2つあります。1つは、第17条で毎年中小企業振興施策を取りまとめて公表する、中小企業者の方々の意見を聴き、意見を考慮して次の年の施策にいかしていくとなっていること、もう1つが、第11条で基本方針、いわゆる元気戦略を定めること、その際、地域勉強会などで中小企業者などの意見を聴くことを規定しています。条例上では元気戦略について何年ごとに見直すということは書いていませんが、経済情勢は動きますから結果的に3年程度で見直すことになっていて、現在第4次元気戦略を検討している状況です。
 元気戦略の策定にあたり、経済政策課だけで作るわけではなく、観光部門、労働部門、人材育成をやっている商工労働部全体で関わることはもちろん、若者の就労問題は教育委員会、農商工連携は農水産分野、規制緩和の問題では環境分野が関係してきます。それぞれの部署を巻き込むことが大事になってきます。さらに必ず市町村との意見交換を行い、県の取り組みについてご理解をいただいています。こういう条例の基本理念、考え方が10年経っても引き続き広がっていることが、この10年で変わったことの1つの答えになるかと思います。何が変わったよりも変わらずにやっていることに意味があると思っています。
 また、知事が代わった場合であっても、条例が残っていれば中小企業振興に努めるという理念は変わらないということに意味があると思います。

3.今後の課題、展望
川西 今後の課題・展望についてお聞きします。篠崎さんからは第4次元気戦略の策定にあたり、今までの到達点を踏まえてどのような点に力を入れていきたいか、お話し願えますか。

第4次中小企業元気戦略で検討している課題
篠崎 地域勉強会を昨年度中に19回、今年度7回、同友会さんとも昨年度3回、今年度1回実施しています。雇用情勢が改善したという言い方をされますが、企業側からすると採用が非常に難しくなったという状況になっており、人材確保・育成が課題になっていること。また中小企業者の高齢化が進み、事業承継の問題がかなり多くの勉強会で出されています。出された意見や経営課題を整理し、取り組みの方向や具体的な施策を元気戦略とし取りまとめています。
 中小企業振興に向けた研究会では、3つの視点が出されています。1つは中小企業の成長分野や新分野への参入、経営革新への後押しです。2つ目は中小企業の経営基盤の強化、小規模企業に視点をあてた経営改善、事業承継、人材確保の問題をしっかり対応していこうということ。3つ目は地域社会と連携した支援です。教育の問題や中小企業と大学との連携、支援機関の強化、商店街支援、観光を通じた地域の活性化なども進めていきます。同友会さんからいただいている政策要望にもかなり重なる部分があると思います。

施策の活用・産業振興との関わり
川西 杉山さんから今後の中小企業振興の課題と産業振興との関わりについてお話し願います。
杉山 10年を振り返り、反省点があるとすれば、色々な施策を我々同友会メンバーがどこまで活用できていたかということです。活用や成果事例を積極的に取り上げ、伝えていくことが条例を生かすことになると思います。今後はこうした活用と普及にいっそう取り組んでいきたいと思います。  昨年度の県への政策要望の中で「中小企業立県を宣言し、千葉県経済、地域雇用の健全な発展・成長を作り出していこう」ということを盛り込みました。千葉県の産業振興ビジョンを学びながら中小企業振興との関連を深めていきたいと思います。

地域金融機関との関わりの深化・地域エリアごとの対応
川西 条例制定・元気戦略の推進と関連して千葉同友会では地域金融機関との関係が進みつつあります。その経験と併せて、この間新支部づくりに取り組んでいて、そうした取り組みと振興条例づくりとの関係について、細矢さんからお願いします。
細矢 金融機関との懇談会は以前から続けています。県内の地銀、信用金庫、信用保証協会、政策金融公庫などと行う中で色々な情報をいただいています。
 2013年12月に中小企業庁が「経営者保証に関するガイドライン」を発表しました。機会あるごとに会員に向けて「ガイドラインがあるので、融資を受ける際に経営者保証を外してほしいと話してみてください。金融機関は外せない場合は外せない理由を答えなければならないことになっていますからぜひ聞いてみてください」と話しています。我々はそのガイドラインを知っているので、金融機関も向き合ってほしいからです。最近、外してくれる金融機関も増え、外している会員も増えてきました。また、昨年発表された金融仲介機能のローカルベンチマークを読み込むと、何を改善すると経営者保証を外せるということが分かってきますので、より具体的に運動ができるようになってきました。
 千葉県は日本の縮図だと思います。東京のベッドタウンとして発展してきた北西エリアの都市部、東エリア九十九里などの農村部、南エリア館山などの観光というように地域特性が違っていますので、県としてまとめるのは大変だろうと思います。地域づくりを進める上で、地元企業の意見を集約していくことが大切だと思います。現在、千葉同友会では過疎地域を含めて新支部づくりに精力的に取り組んでいます。その地域で何か取り組もうという時、そこに支部があることで意見が出され、地域を変えていけると思います。

コーディネーターのまとめ
 この10年で何が変わったのかを考えたとき、「むしろ変わっていないことを続けていることがすごいことなんだ」ということが出されました。県行政、諸団体との垣根が格段に低くなった、本音で少しでも交流できる条件が整ってきたことが一番大きな成果だと思います。それによって中小企業政策がよりきめ細かく、現場に沿ったものに少しでも近づけることが可能になる基盤ができてきたことが大きいと思います。
 中小企業振興策がより具体的に裏付けられるものとなる、その実効性を保証するものは何だったのか。それは中小企業の生の声を出せる場ができたこと、研究会や地域勉強会、こういう仕組みがあることで、中小企業者側の現場の声だけでなく、行政側の声も入るわけですね。本音の交流をやれる場が大事だということが確認できたと思います。
   行政と付き合おうと思うと、政策を目いっぱい勉強して理論構築してからと言う方もいるかと思いますが、あまり難しく考えないで、まず自社の実情や地域の困りごとや悩みを行政に伝えていくこと、行政の方も対応できること、できないことを率直に話していただくことが大切であって、それはまさに同友会が日頃やっている本音での体験交流と相通じることだと思います。千葉の条例づくりは現場の声をお互いに出し合うということと、条例を作ることを自己目的化せず、元気戦略を3年ごとに見直す仕組みを作ったことによって、私ども同友会の会員、事務局も行政の側も常にそれを意識せざるを得なくなったということです。
 最後に今後の課題、展望としては、どういう地域にどういう産業を起こしていくのか、またそれが中小企業振興にとってどのようなプラスになるのか、将来について夢の持てるビジョンをどうつくるかということが一番大事ではないかと思います。そういう意味では、経営者の方、事務局ももう一段高いステージに登っていくことが求められるのではないでしょうか。“自分の会社が利益をあげることに手いっぱいでそこまで手が回らない”という声もあるでしょうが、そこを一歩踏み越えて、幹部社員の方々が「現場のことは我々に任せてくれ、社長は20年後、30年後の地域はどうなっているのか、我が社の存続基盤がどうなっているのか勉強して地域と関わってほしい」と言ってくれるような社内体質をつくっていくことが、振興条例づくり、元気戦略づくりを根付かしていく一つの基盤になるのではないかということで本分科会のまとめとしたいと思います。長時間どうもありがとうございました。

(事務局 逸見)


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